秋の乾燥に負けない体づくり:漢方で温燥・涼燥対策を


2024.09.10

 

9月に入り、白露(はくろ)の季節が近づいてきました。

秋は、乾燥が進む季節

特に「温燥(おんそう)」と「涼燥(りょうそう)」という2つの乾燥が私たちの体にさまざまな影響を与えます。

 

今回は、漢方の視点から、この乾燥シーズンをどう乗り切るかをお伝えしたいと思います。

 

■前半:温燥(おんそう)とは?

 

温燥は、秋の初めに感じられる暑さと乾燥が同時に訪れる状態を指します。

 

日中はまだ夏の名残で暖かく感じますが、空気が乾燥し始めるため、体内の水分が奪われやすくなります。

 

特に以下のような症状が出やすいです。

口や喉の渇き
肌の乾燥やかゆみ
目の疲れや乾き

この時期は、体を内側から潤すことが大切です。

 

夜にアイスを食べたり、冷たい飲み物をぐびぐび飲んでしまうと、体は冷えすぎ、乾燥に対する抵抗力が落ちてしまいます。

 

漢方では、「潤肺(じゅんはい)」と言って、肺を潤し、乾燥を和らげることが大切だとされています。

 

温燥の時期には、温かい飲み物やスープ、潤いを保つ食材を取り入れることをオススメします。

 

■後半:涼燥(りょうそう)とは?


涼燥は、秋が深まる頃に訪れる「冷え」と「乾燥」が同時に進む状態です。

白露を過ぎると、気温がぐっと下がり、朝晩の冷えを感じるようになります。

 

この時期には次のような症状が現れやすくなります。

冷え性や手足の冷え
肌荒れ、髪のぱさつき
風邪を引きやすくなる

 

涼燥は、体が外の冷えにさらされるため、体を温めつつ潤いを保つことがポイントです。

 

漢方では、この時期に体の「気(き)」を巡らせ、体内を温めることが重要とされています。

 

体が冷えると免疫力も低下し、未病の原因となるため、漢方薬での体質改善を検討してみるのも対策の1つだと言えます。

 

■秋バテに注意、夏バテだけじゃない


近年「夏バテ」ではなく「秋バテ」という言葉が使われるようになってきました。

 

秋バテは、夏のライフスタイルを引きずることで起こる体調不良です。

 

例えば、夏と同じような感覚で、冷たい飲み物や食べ物を採り過ぎると、体が冷え、内臓の働きが弱まります。

 

このままでは、秋の乾燥や気温の変化に対応できず、体がだるく感じたり、風邪を引きやすくなってしまいます。

 

大切なのは、夏の生活スタイルを見直し、秋に合ったライフスタイルに意識して変えていくことです。

 

また、漢方薬を上手に取り入れていただくと「秋バテ」予防には、より効果的だと思います。

 

 

■漢方薬で体質改善と未病予防を

 

秋の乾燥と気温変化に負けないためには、漢方薬を使った体質改善が効果的です。

 

お一人お一人の体質に合った漢方薬を飲んでいただくことで、乾燥による肌トラブルや冷え、免疫力の低下に対応することができます。

 

また、漢方は未病予防にも適しており、体がまだ病気になる前に、バランスを整えることで健康を保つことができます。

 

これからの季節、秋バテや涼燥に備えて、漢方を活用してみてはいかがでしょうか?

 

■まとめ


秋は、乾燥が進み、「温燥」と「涼燥」が体に大きな影響を与える季節です。

 

夏の生活習慣を引きずってしまうと、秋バテを引き起こしやすくなります。

 

漢方薬は、体を温め、乾燥から守り、体質改善や未病予防に効果的です。

 

秋の変わり目に、漢方で体調を整え、健康な毎日を送りましょう。

 

■お問い合わせ

 

漢方薬に関するご相談や、体質改善・未病予防についてのアドバイスは、なつめ薬局までお気軽にお問い合わせください。

 

お一人、お一人の症状やお悩みをしっかりお聞きしながら最適な漢方薬をご提案いたします。

 

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薬剤師 千知岩 祐次

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